諏訪大社創祀の神話と、一月で実る稲の伝説 – 藤島社(長野県諏訪市中洲)

中央自動車道の脇、整然と区画整理された耕地の一角にぽつんとある、田んぼを伴った小さな祠。
数年前まではGoogle Mapにも載っていませんでしたが、実は諏訪大社関連の神社の中でも、重要な地位にある神社の一つです。

藤島社について

こんな見た目でも、実は、諏訪大社創祀の神話の伝承地で、また、諏訪大社上社七不思議を伝える神社

諏訪大社には、上十三所・中十三所・下十三所という、関連神社のグループがあります。
それぞれに13ヶ所、合計39の関連神社があるわけですね。

どのような定義で上・中・下にグループ分けされているのかは不明ですが、この藤島社は「中十三所の筆頭に位置します。

このことから、藤島社は小さいながらも重要な神社であることがうかがえるでしょう。

ちなみに、元は現在地より北、「御座免」と呼ばれるところにあったようです。詳細な位置はもうわかりませんが…。
昭和晩期に耕地整理のため、現在地にお引越ししました。

藤島社の由来・諏訪大社創祀の神話

諏訪大社の由来を記した、南北朝時代の書物『諏訪大明神画詞(えことば)』の「62段・藤島社(田植祭)」には次のようにあります。

この藤島社の由来であるが、それは諏訪明神が顕現された大昔のこと。

悪賊・洩矢が神居を妨げんとした時、洩矢は鉄輪を持って争い、明神は藤の枝を持って、これを降伏させた。ついに洩矢による邪論を降して、正しき教えを興したのである。

明神が誓いをたて藤枝を投げたところ、たちまち根を下ろして枝葉が茂り、花葉が鮮やかに色づいたという。これを戦場の跡として萬代にまで伝える。

これが藤島の明神と称する由縁である。

藤の木も一応あります。さすがにこれは近年植えられたものでしょう。

そして藤島社の田んぼ。
これは神様のための田んぼ=神田なのですが、これにもう一つの伝説があります。

それが、諏訪大社上社七不思議の一つ、御作田の早稲(わせ)」です。

6月、ここで御田植祭が行われるのですが、この田んぼに植えた稲はわずか1ヶ月で実り、8月1日神前にそなえられるというもの。

先程述べた『諏訪大明神画詞』の「62段・藤島社(田植祭)」にも記載されています。

信じるか、信じないかはあなた次第。

藤島社の概要

祭神 木花開耶比売命
藤島明神
主な神事 御田植祭:6月の第一日曜
御朱印 なし
社務所 なし
駐車場 なし(道脇には停められそうです)